昨日の日記で書いたヴィム・ヴェンダース監督の最新作『PERFECT DAYS 』という映画。一度は来年でいいかなと思ったものの、やはり一日も早く観たい！と急遽チケットを予約し、観てまいりました。
公開まもない作品でしたが、私が予約した時は幸い良いお席がまだ残っていました。
しかし、いざ映画館へ行ってみると、お席はほぼ満席。ほとんどが私のような年代の人で、みんな若かりし頃に、ヴェンダースの映画に夢中になっていた人たちかしら？などと思ったり（笑）
特別なことは起こらない、ただ誰にでもあるような細波を織り込んだ日常を描いたストーリーですが、主人公の孤高な佇まい、光を美しく映した情景、流れる音楽と、全てが素晴らしく、もう涙腺崩壊しました。。。
やはりヴィム・ヴェンダース、期待を裏切りません。若かりし頃の憧憬が再び戻ってきたようで、観終わったあとまでその余韻が長く続いています。
役所広司さんの演技も素晴らしく、とにかくラストのシーンは圧巻。
役所広司さんがラストで見せた表情で、それまで散りばめられていた主人公の「日常」というピースが、すべてカチリとはまり、ストンと心に落ちていくようでした。
カンヌ国際映画祭で男優賞を受賞したそうですが、それも納得。改めてすごい役者さんだと、この作品の演技で実感しました。
あまりに素晴らしい作品だったので、子供達にもお勧めしようかしら？と思ったものの、この作品を若い頃に観たとしたら、ここまで胸に響くものがあったでしょうか？
人生の悲哀を経験してきたからこそ想像できる登場人物の心情、わかるからこそ心に沁みるのです。
幸せだけれど、少し寂しい。そんな誰もが心の片隅にあるような気持ちは、ある程度歳を経ることで生まれてくるように思います。
ヴィム・ヴェンダース監督の作品は、いつもどこか寂しさがつきまとい、それが妙に心に沁みるのです。
10代のころ『パリ・テキサス』を観て以来、その想いは変わりません。
ヴェンダースは私にとって一番大好きな映画監督なので、時を経てもなお変わらずに素晴らしい作品を作り続けていることが嬉しい！
劇中に使われる音楽も、ヴェンダースファンが泣いて喜ぶ、ストライクゾーンを突いた選曲で、ストーリーをより豊かにしてくれるようでした。
我々の年代だからこそ、特別な思い入れを持って楽しめるのかなとも思いました。
本当に、久しぶりに素晴らしい映画を観ました。
最近はサブスク動画で手軽に韓流ドラマや映画を楽しんでいますが、やはり映画館で観たい映画もあります。
先送りにせず、観に行って本当によかったです。。。
この余韻をしばらく味わいたいので、当分他の映画やドラマは観ません！
ちなみに映画は断然一人で観に行く派です。長らく元旦には家族4人で映画鑑賞ということをしていましたが、子供達も成人したので、今年からそのようなこともなくなり、以来映画はいつも一人で観に行きます。
一人でゆっくり鑑賞した後、一人でしみじみと余韻に浸るのが好きなのです。
一人でいることを楽しめるのは『PERFECT DAYS』の主人公と同じみたいですが、私はあんなに無口ではありません（笑）
帰り道、『PERFECT DAYS 』風に景色の写真撮ってみました。
今日も別に映画だけを観て過ごしていたわけではないのですが、とにかくあまりに素晴らしくて、他の出来事はすべて忘れてしまいました（笑）
夜は菜の花のパスタにしました。調理をしていたら、ようやく現実に戻ってきた感じ。。。
菜の花のパスタが大好きなので、食べ過ぎてしまいました。。。
キャロットケーキの残りも食べてしまったし。
明日からまたしっかり食事制限しよう！と思ったら、明後日には花びら餅が届くのです。やはり年末年始はダメですね。
