365の喜怒哀楽 〜 50代主婦の暮らしブログ

喜んだり、怒ったり、哀しんだり、楽しんだり、日々の出来事を綴る日記。

Sponsored Link

ワクチン接種に盛り上がる年配者と乗り合わせたエレベーター。いつか行く道を学びに変える「楽」

2021年6月21日(月)

今日は朝から一日、よいお天気の東京でした。梅雨の最中にこんな日は、とっても貴重です。

朝一番でお洗濯を済ませ、ベランダにある鉢植えの植え替えでもしてしまおうか。。。
そう思っていたのですが、また家の中にこもっていては運動不足になる!と、とりあえずは外に出ることにしました。

近所をぶらぶらと歩こうと思ったのですが、ちょうど池袋の百貨店で九州のうまいもの催事が行われているのを思い出したのです。

ちょうど欲しいお菓子もあったので、運動がてら行ってまいりました。

月曜日の開店直後とあって、それほどの混雑はありませんでしたが、やはり催事会場へ向かう人は一定数いますので、エレベーター待ちの列などができていました。

見渡せば年配者ばかりです。。。

乗り合わせたエレベーターで、隣りのおばさんが、

「密でも大丈夫なのよね〜。ワクチン接種、2回終わったから!」

そう大アピールすると、あちらこちらから、

「私も打ったわ!」

「私なんか副反応なかったわ!」

などと、嬉々としてワクチン接種自慢大会と化したエレベーター内。
みんなが嘘をついていないのだとすれば、そのエレベーターの中で、未接種は私だけということになります。





1階から8階の催事会場へと行く間、おばさん達の接種自慢は続きました。

中には、「もうコロナなんて怖くない!ワクチンさえ打てばこっちのものよ!」

などと言っているおばさんもいます。
今にもマスクをかなぐり捨てて、大声で「ワクチン万歳!」とでも言いそうな勢いです。

そんなおばさんに「そうだ!そうだ!」とばかりに激しく同意する、その他のおばさん達。

ワクチン接種さえしておけば、コロナ感染のリスクはないと思っているようです。

かなりご年配の方々でしたが、その情報源はどこからか?少し気になりましたが、私は黙って下を向いて耳だけダンボにしているしかありませんでした。

だって、私は唯一ワクチン未接種ですもの。。。

そのエレベーター内で、私は完全なマイノリティー。ワクチン未接種者がものを言える場所ではありません。

というのは冗談で、お年寄りのみなさんがワクチンで盛り上がっているのに水をさす必要もないというのが、正直なところ。

実際に、「ワクチン打った!」という安心感がコロナストレスを軽減し、自己免疫をアップさせる効果があるかも知れないので(笑)





しかし、中には冷静なお年寄りもいました!

「ワクチン接種したからと言って、完全に安心はできないんじゃない?」

「まだまだ、これまで通り気をつけないと」

とても控えめに、しかし毅然とみんなに聞こえるように言った方がいました。

思った通り、この発言はワクチンおばさん達の会話に水をさしたようで、この一言で皆さんダンマリ。。。

雰囲気が微妙になってしまったので、唯一の未接種である私も僭越ながら参加。

「とにかく気をつけて、目的のお買い物をしましょう!早くしないと売り切れるものもあるかもしれませんよ!」

私の言葉に再びざわめき出したエレベーター内。

もうおばさん達の頭の中からワクチンは消えました。

あるのは梅ヶ枝餅やメディアで登場したことのある話題の美味しいもの、、、。

「そうだわ!私はワクチン自慢ではなく、美味しいものをお目当てに来たのだった!」

そう我に返ったのでしょう。





ほどなくすると、エレベーターは催事会場に到着。。。

おばさん達は元気いっぱい、目的のブースに向かって足早に消えていきました。。。

なんとも濃密な百貨店のエレベーター内。
お年寄りが元気なのは見ていていいものですが、コロナやワクチンに対する意識など、その言動の端々に痛々しく思えるところもありました。

人間誰もが同じように歳をとります。
あのおばさん達のいるところは、私が「いつか行く道」なのです。
それがなんだか切ない気持ちになりました。

しかしながら、隣り合わせた見知らぬ他人と、その時だけ会話を交わすのは、いつだって楽しいもの。

袖すり合うも他生の縁

同じエレベーターに乗り合わせたのも、ご縁があったからこそと、それをいつか行く道への学びにしようと思ったのでした。。。





ちなみに今日は、フランスの作家である、フランソワーズ・サガンさんの生まれた日です。

サガンは10代の頃、私が夢中になった作家でした。

悲しみよこんにちは』はあまりにも有名な小説ですが、私がサガンにハマったのは、二作目の『ある微笑』という作品でした。

ストーリーはもとより、その美しい言葉の数々にどれほど心酔したものか。。。好きなフレーズは繰り返し繰り返し読んだものです。

当時は全く意識することはありませんでしたが、あれほどまでに夢中になったのは、初期のサガン作品の翻訳を手掛けていた朝吹登美子さんの翻訳の素晴らしさあってのことだったのでしょう。

サガンワールドに広がるフランスという外国にも憧れました。
大人になった私が海外へ出て行ったのも、そんな「外国」に憧れたこともきっかけになっているのかも知れません。

20代の頃、ロンドンで暮らしていたので、毎週のようにパリへ遊びに行っていました。
今から思えば笑えますが、当時はサガンの文庫本をパリのカフェで読むのが、自分にとっての素敵なことでした(笑)

若いって滑稽だわ。。。パリのカフェで謎の東洋人がサガンを読んでいても、全く絵にならない!

そう思いながらも、さまざまなことに憧れ、それを実現しようと頑張っていた若かりし頃が愛おしくもあるのでした。。。

パリのカフェで読んでいたのは、もちろん『ある微笑』でした。

今でも時々、本棚から取り出し、読んでいる小説です。。。