365の喜怒哀楽 〜 50代主婦の暮らしブログ

喜んだり、怒ったり、哀しんだり、楽しんだり、日々の出来事を綴る日記。

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下重暁子『暮らし自分流』シンプルな暮らしの意味と、読んでよかった著者の本。

以前は週に何度も本屋さんへ足を運んでいました。しかし、コロナ禍でそんな習慣も途絶えたのに加え、近くの本屋さんが閉店になったこともあり、今は外出ついでに立ち寄るくらいになりました。

本屋さんへ行ったときは、せっかく来たのだからと、気に入った本を数冊購入してきますが、すぐに読むことばかりではないので、未読の本が傍に積んであります(笑)

先日、長女宅に滞在する際、そんな本の山の中から、簡単に読めそうな文庫本を一冊持参しました。

下重暁子さんの『暮らし自分流』という、暮らしにまつわるエッセイです。

確か2週間ほど前に購入した本です。
この帯の一文を見て、手に取りました。

時間はたっぷりとあるので、一日で読み切るつもりが、他のことをやり始めたりと、結局読み終わることはなく、最後の数ページだけ読み残していました。

普段は毎日のように外出するほど忙しくはないのですが、時には用事が重なったりと、たとえ数ページの読書でも時間の取れないこともあります。

今日はゆっくり家に居られたので、残りを読みました。



元アナウンサーで、その後は物書きとなった下重暁子さんですが、思っていたよりもお年を召していらして、ちょっと驚きました。

文面から70代あたりを想像していましたが、それよりもずっと上で、80代半ばになる私の母と同じような年齢の方だったのです。

この本は、暮らしについてのエッセイですが、たとえ30代のお若い方が読んでも、とても楽しめる内容なのではないかと感じました。
少なくとも、50代の私にはとても心に響く記述が至る所で見つけることができました。

この本で以下のような記述がありました。

「シンプルに暮らす」とは、ものを捨てることではなくて、「ものを大切にすることだ」と思っている。
最初は私も、ものを捨てることばかり考えた。しかしそれでは解決しない。いきついたのは、ものを大切にする、ものの命を使い切ることだときづいた。


この一文を読んだ時、この本を読んでよかったと思いました。
「シンプルな暮らし」という言葉、いまはどこかしこで見聞きしますが、そんな「暮し」にどこかしっくりとしないものを感じていました。
それは私がものへの執着心を払拭できないせいかと思っていましたが、「捨てられない」のではなく、「大切に使いたい」ということだったと、気づかせてくれました。

しかし、このような暮らしを求めるなら、ものも吟味して末永く使えるものを持つことが前提です。

実際に「安いし。。。」とそれほどの愛情も持たずに買ったものは、後で必ず断捨離してしまっています。
反対に、少しお値段張るけれど、どうしても欲しい!と清水の舞台から飛び降りるつもりで買ったものは、何十年と使い続けています。

若い頃には、私も大量にものを買っていました。
服、靴、バッグ、ジュエリー、化粧品も、今シーズンはこんなものが出ますよとお知らせがくれば、躊躇なく買っていました。

しかし、今はそんな物欲もすっかり消滅しました。「素敵ね」と思うものはあっても、「欲しい」という気持ちにまではならなくなりました。

もちろん、時には「これは持って帰らねば」と心動くものとの出会いもあります。そんな時は、迷わず買うことにしていますが、その頻度は若い時の比ではありません。

どちらかといえば、今のお買い物は、「欲しい」よりも「必要」だからといった理由がほとんどです。

そんな風に、新しいものも必要であれば買います。ただ、今あるもので事足りるのなら、なるべくはものを増やさないようにと思っています。

こちらの本にも、古いものを大切に使い続ける知恵が書かれています。

いまは安価なものが溢れている時代なので、時には古いものを手入れしながら使い続けるよりも、新しいものを買ってしまった方が経済的ということも多々あります。

その辺りを考えると「古いものを大切に」も、経済力が必要なのだと、本書を読んでいて感じました。

そういった意味で、そのまま書かれてあることをお手本にするのではなく、自分の暮らしと照らし合わせた上で、タイトルにあるように「自分流」を見つける参考になればいいのだと思います。




下重暁子さんには多くの著書があるのですが、こちらは3冊目です。

初めて読んだ下重暁子さんの著書は、『家族という病』でした。
2015年に出版され、50万部のベストセラーとなった新書です。

できる限り実家とは距離を置いて付き合う努力をしてきた私には、とても刺さるタイトルでした。

父が亡くなってから、それまで保たれていた家族間バランスが崩れ、とても大変な数年間を過ごしました。その時、このままでは私の生活を犠牲にすることになると思い、親兄弟とは最低限の関わり合いだけで生きていこうと心に決めました。
肉親とは厄介なもので、完全に関係を断ち切ることは難しいものです。何があっても家族だからこその歪んだ情に邪魔され、どこかに罪悪感も持っていました。

そんな気持ちを軽くしてくれるような本でした。

『家族という病』がとても面白かったので、次に手に取ったのが『極上の孤独』でした。こちらは2018年に出版されたものです。

「孤独」をネガティヴに捉えるのではなく、ひとりで人生を楽しみましょう!と、その極意が語られています。
基本的な考え方がとても共感できるものでした。


歳を重ねるごとに手に取る本も変わってきます。
最近は「暮らし」に関することに興味が移ってきました。

いまある暮らしを見直し、より良く快適な老後を迎えるための参考書というのでしょうか。
諸先輩方の暮らしを拝読させていただきながら、「素敵!」と思ったことは参考にさせていただいています。