2020年11月4日(水)
今日はアメリカ大統領選挙ですね。
メディアも朝からそんな話題で持ちきりですが、私は新宿へ行っていました。
本当はお友達と銀座で会う約束だったのですが、どうしても食べたいお菓子の催事が新宿の百貨店であったので、急遽待ち合わせ場所を新宿に変更してもらい、ランチの前にサクッとお買い物をしてきました。
百貨店オープンが10時ですが、それよりも1時間以上前から並びました。
人気店の催事の場合、行列はお約束です。
かつての私なら、
何時間も前から並ぶなどあり得ない!
私はそんなに暇じゃない!
そう思っていましたが、子供も大きくなり、文字通り暇になったのです。
加えて、どうしても食べたい!という食欲に打ち勝つことができず、何度かそんな行列に交わるうち、2時間くらいなら平気で待てるようになりました。
この「行列に並び、待つ」という行為ですが、娘曰く、オタクの専売特許だそうです。
アニメオタク、アイドルオタク、鉄道オタクなどなど、色々オタクと呼ばれる分野はありますが、グッズなどの販売があれば、何時間も前から待つのなど当たり前だと言います。
そういえば、ニュースでコミケの様子などを観ると、前日から並んだりしているを見たことがありました。
この情熱は一体どこから来るものなのか?
これほどまでに熱を注げる「好き」があることが、羨ましく思ったほどです。
昭和の時代においては、オタクというと、ちょっと陰キャな特殊な人々というイメージがありましたが、今はまったく違います。
もう誰も彼もがオタクになり得る社会になっているといってもいいのではないでしょうか。
そもそも「オタク」となにかといえば、嗜好性の強い趣味の愛好者であるといいます。
昔に比べて現在オタクが増加しているように見えるのは、「嗜好性の強い趣味」を持った人が多くなったということなのでしょうか?
自分を例にとってみれば、若い頃は「これ!」というほどの趣味もありませんでした。
と言いますか、今でもブログとお菓子以外に趣味と言えるようなものはありません。
それでも、側から見ると「お菓子オタク」と映るようです。。。
自分では、オタクと言えるほど、強い思いはありません。にも関わらず、オタクカテに入るといいますから、オタクの定義自体が揺らいできています。
かつては「オタク」といえば、ほとんどの場合「アニメオタク」を指していたものだったように記憶しています。
秋葉原あたりにいるペーズリー柄のバンダナにチェック柄のシャツという『電車男』イメージで、ちょっと特別感を漂わせていたものですが、いまはそんなイメージは皆無となっています。
巷で話題の『鬼滅の刃』からも言えるように、もはやアニメはオタクのものだけに止まらず、誰もが「私、アニオタだから〜」と堂々と言える社会になっています。
しかし、それはただ流行に乗ってのものだろ?と、古参と呼ばれる元祖アニオタ達は鼻で笑っていることが想像されますが。。。
この『鬼滅の刃』現象から考えられるのは、「ライトなオタク」が急増しているのでは?ということです。
アニメに限らず、漫画でもアイドルでも、なんでも、従来のコアなファンに比べて、かなりライトな印象を受けます。
コアなオタクは好きな趣味に人生の全てを捧げるが如くですが、一方のライトなオタクはそれが一番好きだけれど、それ以外にも楽しめるものもあります!
そんな違いが見えるのです。
つまり、オタクは増えているものの、そのほとんどが「ライトなオタク」というものではないかと。。。
私も子供達からは「お菓子オタク」などと言われますが、お菓子に全ては捧げません。
これは趣味というよりも、「食欲」と密接に関係していることだけに複雑です。
それでも、もし私がお菓子のオタクであるとすれば、それは「ライトなオタク」というものであるのでしょう。
オタクに限らず、この平成から令和にかけての時代、物事はどんどんライト化されているように感じます。
ライトの反対はヘビーです。
重たいのはごめんだとばかりに、ツナ缶さえもライトが主流に。。。おまけに減塩とか、ローカーボとか、軽い方へ軽い方へと流れています。
趣味にしても、人間関係にしても、食にしても、生活にしても、ベタベタのヘビーなものは敬遠され、社会はサラリとよりライトな方向へ疾走しているように感じます。
どっちがいいのやら。。。
昭和の時代から、ヘビーとライトの両方を持ち合わせてきた身としては、なんともいえないところですが、ライトであろうと、ヘビーであろうと、好きなものを追いかけるのは楽しいものです。
ちなみに今日は、作家の泉鏡花さんの生まれた日です。
私の大好きな作家で、10代の多感であった時期に出会ったこの方の作品は、今でも色褪せることはありません。
何十年もの長きに渡り、私の本棚にあり、いまだたびたび手に取っています。
中でも『外科室』という作品が大好きで、その匂い立つような美しき世界観に、完全に魂を奪われています。
もう、あちらこちらで「究極のラブストーリーよ!」と、その浮世離れしたストーリーと描写の宣伝マンになっているほど(笑)
この作品は吉永小百合さんと加藤昌也さんが主演で映画化もされています。
おまけにメガホンを取ったのが、歌舞伎界の重鎮である玉三郎さんです。
原作が素晴らしい故、映像化されてがっかりということも少なくありませんが、こちらは映画も素晴らしく、当時何度も映画館に通ったほどです。
小説の方は、話し言葉など時代を感じさせますが、それでもなお感動でウルウルとします。
内容的には、特に若い方などは時代錯誤かと思うかもしれませんが、こんな純愛がせめて物語の中だけでもあってもいいのではないかと、50過ぎて未だに浪漫を求め、読むたびにうっとりしているのでした。。。