365の喜怒哀楽 〜 50代主婦の暮らしブログ

喜んだり、怒ったり、哀しんだり、楽しんだり、日々の出来事を綴る日記。

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『時間よ止まれ』矢沢永吉の「楽」

2020年9月12日(土)

冴えないお天気の土曜日です。今週はわりとフラフラ出歩いていたので、今日は家で過ごすことにしました。

片手間に家事をする私の傍で子供達がテレビを観ています。なにやらお気に入りのアーティストが出るとのことで、それを待ち構えているのでした。

時折懐かしい昭和の歌謡曲などが流れてきます。自然と口が動き、気づけば大声で歌ってしまっていました。若い頃の新鮮な脳に刻まれた記憶は消えることなく、無意識にその歌詞とメロディーが口から溢れてくるのです。

いつしか家事する手を休め、お菓子を摘みながら一人カラオケ状態です。

8時間にも及ぶその番組が終盤戦に差し掛かった頃でしょうか、大御所の登場です。

懐かしの「矢沢永吉」様です。

あの名曲『時間よ止まれ』の誕生秘話をミニドラマに仕立て、矢沢永吉さん本人のインタビューののち熱唱。。。という構成でした。

当然のことながら、私も眉間にシワを寄せて一緒に歌います。

傍では、夫が熱狂する私を苦笑いしながらも温かく見守っています。

現在のアラフィフ 世代で矢沢永吉のファンというと、どうしても元ヤンを思い浮かべられてしまうのですが、外国人の夫にはそんな図式は浮かびません。

過去を隠そうとしても、その言動や行動の端々から窺い知れてしまう。そんなことは往々にしてあるものですが、外国人が相手ではそれは難しいもので、矢沢永吉のファンに持たれているイメージなど想像もできないのです。

とはいえ、私は元ヤンでもなければ、不良少女であった過去もありません。
そうではない矢沢ファンも当然いるのです。

私が小学生の時に伝説のロックバンド『キャロル』が解散し、矢沢永吉さんはソロになりました。
「キャロル」には馴染めなかった子供にとって「矢沢永吉」の新境地であったバラードの方が心打つものがあったのです。

やがて成長し、十代になった私は東京武道館で行われていたコンサートに毎年参戦するようになりました。
矢沢永吉さんは楽曲が素晴らしいだけでなく、コンサートもとても見応えがあるものだったので、23歳で日本を出るまでの10年近く、コンサートに通い続けました。

しかし、このコンサートというビッグイベントの見所は「矢沢」だけではありません。

特効服姿の集団が大型バスで大量に輸送されてくる様子は矢沢永吉さんのコンサートでは、もはや風物詩となっており、それはそれは興味深いものでした。
「行き先を間違ってはいませんか?」などとジョーク半分思ってしまうところですが、そんな彼らも熱狂的なファンであることは間違いありません。

まだ十代で学生であろう年齢の男女が金髪に染めた髪を逆立てて反逆精神を全身で表しているのに、矢沢の前ではまるで人懐っこい子犬のようになり、揃ってバスで参賀に訪れることが、どうもふに落ちず、なんともシュールだと思えたのです。

その後、私は矢沢永吉さんの著書『成り上がり』をスーツケースに忍ばせ日本を出ました。かの大英帝国への遊学です。
英国滞在中は大英帝国の猛者たちに凄まじき意地悪をされ凹むたびに『成り上がり』を読み返し、自身の根性を鍛え上げました。
「英国人と口喧嘩で負けないレベル」という目標を掲げ、英語の猛勉強をしたおかげで、怖いものがなくなりました。
そして、その頃には矢沢永吉さんの存在は私の中から消えていました。。。


その10年近く後、私は代官山のレストランで矢沢永吉さんと遭遇することになります。
その頃、既に日本に帰国していた私は、外国人の夫とともよくそのレストランへ行ってしました。

ある日、案内されたテラス席に腰掛け、ふと横を見ると、隣のテーブルで、矢沢永吉さんが若い男女2人と何やら熱心にお話をされていたのです。

熱い記憶が蘇った瞬間でした。

十代の頃、ステージを見上げ、タオルを投げまくって雄叫びを上げていた自分、英国の狭いフラットの部屋で「今に見ておれ!」と『成り上がり』をむさぼるように読んでいた自分。。。
それを思い出し、ひとり羞恥に包まれたのでした。
しかし、同時に嬉しくもありました。

なぜかといえば、矢沢永吉さんはステージを降りてもあの「矢沢永吉」のままだったからです。

身振り手振りを交えながら、あの口調で「OK?」などとやっているのを見て、スターはたとえバックステージでもスターなのだ!

スター・矢沢永吉‼︎

そう感動したものでした。

今ではもう矢沢永吉さんのコンサートにも行きませんし、『成り上がり』も読みません。遭遇したレストランにも行かなくなりました。
時の流れは時に哀しいものであります。

若い時の思い出を辿ると、『時間よ止まれ』そう思いたくなります。

あの頃よりも歳をとった矢沢永吉さん、そして同じようにおばさんになった自分。

罪なヤツさぁ〜

あ〜、パシィフィ〜イィッ〜ク!

『時間よ止まれ』を共に熱唱した私は、今日一番の充実を感じたのでした。

思いもかけず久しぶりに見た矢沢永吉さん、そして若かりし頃を思い出し、楽しい時間でした。

I Love You OK





ちなみに、今日はモデルやタレントとして活躍の浜島直子さんの生まれた日です。

絶世の美女というわけではありませんが、飾らないサバサバ系、親近感持てるモデルの代表として人気の女性です。

以前、友人宅でそんな彼女のライフスタイルブックを見たことがあります。
お気に入りの服や小物、家庭雑貨に至るまで、派手さはないけれど質の良い確かな物がチョイスされており、「丁寧な生活」というのをまざまざと見せつけられた気になったものでした。

自分が決してなれないであろうタイプの代表格決定のスタンプをドンと押された瞬間でした。

以来、親近感たっぷりなモデルさんというイメージでありながら、私にとっは近いようで遥か及ばないところにいる遠い人となったのでした。。。